医学情報の専門データベース PubMed に掲載された最新の論文から、医薬品・医療技術の研究開発において患者をいかに巻き込むかを体系化した新しい枠組みが発表されました。Adeline Rosenberg氏らの研究チームが開発したこのモデルは、患者参画の「レベル」と「患者の専門性」を組み合わせた行列表で整理し、研究開発チームが最適なパートナー選びをするための実用的なツールとなります。
患者参画、これまでは「どの程度含めるか」が曖昧だった
医薬品や医療技術の開発では、患者の声を聞くことの重要性が増しています。しかし研究チームから見ると、患者をどこまで意思決定に関わらせるのか、どのような経験や知識を持った患者が必要なのかが、必ずしも明確ではありませんでした。これまで、患者教育から共同設計・共同生産まで、参画のレベルを表すフレームワークは存在していましたが、患者側の「専門性の多様性」と組み合わせた統合的な指標がなかったのです。
2つの軸で整理する「行列モデル」
Rosenberg氏らは学術機関と企業、患者団体の関係者が参加した3回のワークショップを通じて、新しいコンセプチュアル行列モデルを構築しました。1つの軸は患者参画の「深さ」(情報提供から共同生産まで)、もう1つは患者の「専門性の多様性」(個人の経験から患者の主要意見リーダーまで)です。このモデルを実際のプロジェクトに当てはめると、参加患者の人数や多様性、プロジェクト期間、影響力の大きさなどに傾向が見えることも判明しました。参画が浅いほど、より多くの患者を広く募ることができるということです。
日本の医療現場への意義
本モデルが実用的である理由は、「この研究にはどの『レベル』の患者参画が適切か、どのような『スキルセット』の患者が必要か」を事前に整理できるようになるからです。日本では患者中心医療への関心が高まる一方で、参画の形式が試行錯誤の段階。このような実践的ツールの提供は、透明性と持続可能性の高い患者関与の実現に貢献し、開発効率の向上にも繋がることが期待されます。
出典: PubMed


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