医学情報の最新動向を追う国際ジャーナルから、興味深い研究をお伝えします。今回は、生成AI(ChatGPTなど)を使って健康情報を検索する人たちの心理について、中国の研究チームが実証的に分析した論文です。
近年、医療の現場でもAIの活用が急速に進んでいます。中国では「インターネット+ヘルスケアサービス」という国家的な取り組みの一環として、生成AIを健康情報提供に組み込む動きが活発化しています。しかし、ユーザーがなぜ従来の検索エンジンではなく生成AIを選ぶのか、その理由については研究が不足していました。
ユーザーの認識が採用を左右する
この研究では、オンライン調査を実施し、統計的な因果関係分析手法(PLS-SEM)を使ってデータを解析しました。その結果、生成AIを健康情報探索に使う意思に影響を与える重要な要因が三つ浮かび上がりました。第一は「能力の認識」です。AIが適切に答えられると感じるかどうかです。第二は「利便性」、つまり使いやすさの感覚です。第三は「人らしさの認識」で、AIが人間らしく応答すると思えるかどうかです。
信頼と周囲の影響が行動を決める
興味深いことに、これら三つの認識は直接的には利用意思に影響しないのです。その代わり、まずユーザーの「信頼」と「周囲の勧め」に作用します。そしてこの二つが、実際に生成AIを使って健康情報を探すかどうかを決めるのです。さらに研究チームは、デジタル環境での情報リテラシー(判断能力)が強いほど、これらの関係が顕著になることを発見しました。
日本の医療現場への示唆
この知見は、日本でも参考になります。医療機関やAI開発企業が生成AIを健康情報サービスに導入する際、単に精度を上げるだけでなく、ユーザーの信頼醸成と、正確な情報を見分ける力の育成が重要だという点です。また、患者が周囲の利用状況から影響を受けることも示唆しています。医療従事者が適切に生成AIの活用法を伝えることで、より安全で効果的な利用につながる可能性があります。
出典: PubMed


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